日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 [book]
これは凄い!
ペラペラの新書が多い中600ページ超もあり、1300円もするが十分値段に値する。
日本の会社組織の成り立ちや、賃金体系、社会保障、欧米との違いなど、そういう事だったのかと理解できた。
年功序列から成果主義へと、自分が過ごした会社員時代の賃金ルールの変更などもその背景がよくわかる。
経営者、労働者、組合、国家、家庭、複雑な関係で何がベストなのかは正解はない。
終章に出てくる、
スーパーの非正規雇用で働く勤続10年のシングルマザーが、「昨日入ってきた高校生の女の子となんでほとんど同じ時給なのか?」という相談にどう答えるのか?どうあるべきなのか??
同一労働同一賃金を目指す日本だが、これにどう答えるかは結構国家のシステムとして根本的な問題だ。
引用・参考文献の記載も膨大かつ詳細で、これが大学教授(の仕事)なのだとちょっと変なところでも感動した本だった。
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